人生をデザインする——自分らしく生きるために
立教大学
2025/03/24
トピックス
OVERVIEW
立教大学のカリキュラムやプログラムにおいて大切にしていることは、学生自身が「自分らしく生きる」ための力を育むことです。学びの柱である「RIKKYO Learning Style」は、「なりたい自分をデザインするための礎を築く」ために、知的好奇心に呼応した学びを主体的に組み立て、自分らしく成長していくことを重視しています。座談会を通して「自分らしい人生をデザインすること」について考えます。

左から、後藤文学部教授、西原総長、倉品兼任講師
リベラルアーツ教育を体現するRLS、全カリが目指すもの
後藤 全学共通科目(全カリ)※1が目指しているのは、専門分野の枠を超えて幅広い学びに触れ、知識を相互につなぎ合わせながら、総合的な判断力と優れた人間性を養うことです。全学共通科目は言語系科目と総合系科目で構成され、総合系には「学びの精神」「多彩な学び」「スポーツ実習」という3つの科目群があります。「学びの精神」で目指すのは、導入期において全ての新入生が大学で学ぶための包括的なスキルを会得し、自ら主体的に学ぶ姿勢を身に付けること。1年次の春学期でこうした科目を履修した後、秋学期以降に「多彩な学び」を履修することになります。「多彩な学び」は総合系科目の主軸となる科目群。3?4年次での履修を推奨している科目もあり、専門分野を学んだ上で、それらの知識をどうつなげるか、社会とどう関連付けていくか、といった学際的な学びも意識した科目を配置しています。このように全学共通科目では、4年間を通して、さまざまな学びに触れながら「自分らしい人生」のデザインにつながる機会を提供しています。
※1 全学共通科目(全カリ):学生の学びを「全学で支える」という理念のもとに設置された「全学共通カリキュラム運営センター」が運営し、全学部の学生が履修できる。言語系科目と総合系科目で構成される。「全カリ」は、「カリキュラム」であると同時に、「運営組織」であり、「教育革新の運動体」と表現される立教大学の教学的な特色の一つ。
RIKKYO Learning Style(RLS)
自分を育む多様な10の学び

3つの期間に分けて段階的に学ぶ

社会や人生について考えを深める
後藤 倉品先生には、将来への不安を抱えた学生に対して「こういう記事を読んで勉強するのがよい」といったアドバイスをいただいたと聞いています。倉品先生が担当する「立教ゼミナール発展編2」が開講されたことで、導入期と完成期のそれぞれのフェーズにおいて、「自分らしい生き方」や「社会で働く意味」などを考える機会を学生に提供でき、ありがたく思います。
西原 一定の専門性を身に付けた3?4年次生が他の分野に触れて自分の専門の意味を考えること、また多面性?複合性を帯びる社会の課題を解決するために、多角的な視点を持つことの重要性が再認識されています。その点においても、倉品先生に担当いただいている「立教ゼミナール発展編2」は重要な科目です。完成期に幅広い教養を身に付ける「レイトジェネラリゼーション」を、今後さらに強化していきたいと考えています。
「自分らしい人生」をデザインするために
後藤 「自分で選ぶ」ことは「自分らしい人生」をデザインする上で重要ですね。私は、将来に悩んでいる学生がいたら、できるだけいろいろな可能性が残る選択肢を選ぶようにアドバイスしています。本学のカリキュラムにおいても、将来の選択肢を広げて考えられるような科目を、より増やしていきたいと思っています。
西原 学生に対して私たち教員ができることは、“種まき”であり、一生懸命に水を与えても、果たして芽が出るのか、どんな花が咲くのかは分かりません。「自分らしい人生」は、学生自身が見つけていかなければならないのです。その上で大学が果たすべき役割は、学生を、品質管理された“規格品”として生産することではなく、生涯にわたって学び続けるための“知の体幹”を鍛えることではないでしょうか。常識や定説を疑う批判的精神や、自己と他者を知ろうとする姿勢、世界や時代を読み解きたいと思うマインドなど、そうしたものを身に付けられる支援をするのが大学の役割です。

立教大学には「池袋図書館」と「新座図書館」、「新座保存書庫」がある。蔵書は204万冊を超え、原書や貴重書も豊富にそろっており、心ゆくまで「一次資料」に触れることができる。PCやグループ学習室、図書館活用講座の開催など、学修を多面的に支援している
後藤 私は史学科で日本史を教えていますが、古い史料を探して読み解く技術が社会で直接的に役立つ機会は少ないかもしれません。しかし、学びを通して、世の中にあふれる情報の中から信頼できるものを精査し、それらを組み合わせ、新たな発想をするための基礎体力を鍛えることができます。日本史は範囲の狭い学問と思われがちですが、得られる学びは大きい。ですから、先入観にとらわれず、さまざまな分野を幅広く学んでほしいのです。
西原 「幅広く学ぶ」とは、決して“知識のつまみ食い”ということではなく、高いレベルで見識を深めるということだと思います。ITやAIを上手く使うことも今の時代には必要でしょう。しかし、手軽に入る情報に踊らされず、一次資料を読み解き、思索を深めることが学問においては重要です。「沈思黙考」という言葉がありますが、人間がじっくりと思考した事実はデータとして残らないからこそ、AIに利用されることもありません。それに対して意義を感じられる感性を、立教生には持ってもらいたいと願っています。
「キャリアデザイン」(明日への一歩を踏み出すために、世界を知り、時代を読む力を鍛えよう。)
全学共通科目総合系科目(学びの精神)
日本経済新聞社と立教大学が協働で開講する科目。日本経済新聞の記事を題材に、世界や社会の課題について考える。長年メディアに携わってきた講師による授業を通してニュースに触れる習慣を身に付けるとともに、学ぶことや生きることについて考えるきっかけとする。本科目をベースとした「立教ゼミナール発展編2」(現代社会を生きる)は、完成期(3~4年次)を対象に開講。

- オリエンテーション「私たちはなぜ学ぶのだろうか」
- 世界はいま「世界の動きに注目してほしい」
- 豊かさとは何だろう「やがて働き始める君たちへ」
- 歴史から未来を考える「歴史には人生の教訓が詰まっている」
- 消費をつかむ「消費は景気を動かす。そしてビジネスチャンスとなる」
西原 廉太
立教大学総長。文学部キリスト教学科教授。専門分野はアングリカニズム、エキュメニズム、組織神学、現代神学。立教学院院長。キリスト教学校教育同盟第28代理事長。日本私立大学連盟常務理事
後藤 雅知
文学部史学科日本史学専修教授。2012年立教大学に着任。専門分野は日本近世史。2021年度より全学共通カリキュラム運営センター総合系科目構想?運営チームリーダーを務める
倉品 武文
日本経済新聞社編集委員。若者や大学をテーマに記事を執筆。兼任講師として「キャリアデザイン」と「立教ゼミナール発展編2」の2科目を担当
書籍 『人生と仕事と学びをつなぐ15の講義』

15の講義テーマ
- AI時代とリベラルアーツ
- キャンパス新生活の心構え
- 伝わる文章のコツ~新聞記事を事例に
- 情報収集に強くなるコツ~日経電子版を事例に
- 資産づくりのコツ~節約から始めよう
- 世界はニュースに満ちている
- 豊かさってなんだろう
- お金とつき合う長い人生
- 多様性社会を生きる
- 仕事の魅力を知る
- 会社で働くこととは
- 消費をつかむ
- 大学で学ぶとは
- 夢を忘れない
- 人生を拓く
動画 創立150周年記念企画 総長対談シリーズ “自分らしい生き方”を追求するということ

出演者(公開順、敬称略)
- 池上 彰(ジャーナリスト、立教大学客員教授)
- 小玉 ひかり(シンガー?ソングライター)
- 鳥飼 玖美子(英語教育研究者、立教大学名誉教授)
- 南沢 奈央(俳優)
- 渡辺 憲司(日本近世文学研究者、立教大学名誉教授)
- 良原 安美(TBSテレビアナウンサー)
- 片岡 真実(森美術館館長)
- 細野 晴臣(音楽家) ※本対談はWeb記事です。
※本記事は季刊「立教」271号(2025年2月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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